原子力管理庁はドイツなどの要請に「国際的な安全基準を満たしており、運転停止する必要はない」と反発。「(要請が)なぜこの時期なのか」との声明を発表するなど、強気の姿勢を崩さない。 だが、ベルギーメディアは4月25日、原子力管理庁の内部監査機関が、組織の独立性を疑問視する内容の報告書をまとめたと報道。報告書は同月末に提出されたが、まだ公表されていない。 毎日新聞の取材によると、報告書は同庁の体質を「政治的、経済的な影響を受けやすい」と指摘。電力需給などの観点から政府や業界の意向が反映されやすいとの意味で、周辺国の不信感を刺激しそうだ。 ベルギーには計7基の原子炉があり、国内発電量に占める割合は5割近い。25年までにすべての原発を段階的に閉鎖する方針だが、代替電源の導入は進んでおらず、老朽炉の稼働期間を延長して運転を続けている。 |