軍＠ふたば保管庫 [戻る]

ところが、１号機の組み立てが完了したのは、 当初の計画から５年以上もずれ込んだ今年１１月上旬だった。 習近平国家主席が訪米した９月、ボーイング機３００機の爆買い−計３８０億ドル（約４兆６７００億円）の契約が報じられた。これはつまり、国内の航空会社に国産旅客機をデリバリーできなかった、その補填（ほてん）だったのだ。

それでも、「中国が独自に大型旅客機を製造できるようになった」と 意気軒高だが、国際市場は、Ｃ９１９への関心をすでに失っている。 米連邦航空局（ＦＡＡ）や、欧州航空安全庁（ＥＡＳＡ）の型式証明を取得できるかは不透明で、それでは国際線旅客機として使えないためだ。もう一機種、ＣＯＭＡＣが開発を手掛けてきた中国初の小型ジェット旅客機「ＡＲＪ２１」（９０席）がある。こちらも大幅に計画が遅れ、１号機がようやく先月末に成都航空に引き渡された。このＡＲＪ２１と競合するのが、三菱航空機が開発を進め、１１月１１日に初めて大空を舞った「三菱リージョナルジェット」（ＭＲＪ、７０〜９０席程度）である。 今後、国交省や上述のＦＡＡなどから安全性や飛行・操縦特性の審査を受け型式証明を取得しなくてはならないが、燃費性能などに優れるＭＲＪへの期待は大きいはずだ。

ちなみに中国の西安飛機工業公司が開発した民用プロペラ機「ＭＡ６０」 （新舟６０、６０席）は、この１０年ほど、国内以外に中南米やアフリカ、アジア諸国などの短距離間で飛んでいる。 ただ、「旧ソ連の小型機のパクリ」との揶揄のみならず、主に着陸時にトラブルが頻発しており、死者や重軽症者が出ていることから使用を停止した国もある。 ２０１１年７月に浙江省温州市で起きた高速鉄道の大惨事の記憶も生々しいなか、中国製飛行機を“空飛ぶ棺おけ”と恐れる声もある。 汚名払拭のためにも、中国共産党幹部がまず、国内移動でＣ９１９やＡＲＪ２１を自身の専用機として使い、「安心安全」を世界に証明するのはいかがだろうか。

>コックピットはかっこいいな すごいよね