ニュース表@ふたば保管庫 [戻る]
私が元新聞記者だから、事情に詳しいだろうと思ってのことだ。 「今までの日米安保条約と自衛隊の存在で平和にやってこれたんだから、これを崩すことはないんじゃないか」というのが、彼の主張である。 「アメリカは軍事予算を削減しており、今までと違って日本も一緒に戦わないと、日本を守りきれないと言っています」と言うと、「そこを何とかするのが政治でしょう」と言う。 彼は「自衛隊は米軍の補助であって、日本はあくまでも安保条約で米国に守ってもらうのが望ましい」と考えている。 「米国の国民は日本が何もせずに、米軍の若い兵士だけが日本のために血を流すことを認めるでしょうか。それは虫がいいと思うんじゃないですか。怒ってそれらな安保条約は解消する、と言って来たら、どうします」 すると、「ですから、そこを何とかうまくやるのが政治の役割でしょう」と再説する。 「では、安保法案に反対した民主党を支持しますか」と聞くと、「わからない」と自信なさげ。民主党が政権をとっていた2012年までの3年間の危なっかしい状況を覚えているからだ。 |
彼の望みは自分たちが危険にさらされず、米国のような強い国に守っていられる状態が半永久的に続くこと。そうなるように、政治家は「うまくやってほしい」ということに尽きる。 誠に正直で、自然な感情である。安保法制への不人気とそんな不安な政治に突き進む安倍政権の支持率が下がるのも当然だ。無党派層が(久しい以前から)最大なのも、「政権はだれでも良い。うまくやってくれればいい」と思っている有権者が多いことを示している。 だが、いや「だからこそ」というべきだろう、(今の)民主党その他の政権には任せきれない。もっと日本を危うくしそうだからだ。 有権者は次善、三善の策として安倍・自民党政権に政治を託しているわけだ。「任せるけれど、危ない政策をしては困るよ」と、安保法案にも辺野古移設にも原発再稼働にも反対している。 だが、時間が経過して、その結果、不安な戦争が起こらず、原発被害も発生しなければ、徐々に反対者は減って行く。政治とは実行力、「うまくやれる」政権か否かが最大のポイントなのである。 |
有権者は支持率を下げることで「うまくやらないと承知しないぞ」と厳しい目を向けている。これは国政を良くするのも望ましいことだ。同時に、任せるだけの実行力を伴った野党も必要だ。国民は自民党がダメなら、別の政党に任せることができる。 欧米はそうした政党が存在している。野党でも政権をとれば現実に即した政治をする実行力があるからだ。「安保法案は憲法違反」などと叫んでいるばかりで、東アジアの厳しい状況に無頓着な、危機感を持っていない政党に委ねる気にはならない。国民はそう考え(感じ)ている。http://agora-web.jp/archives/1655595.html |