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財務省が“安倍官邸”に完敗 骨太方針への歳出削減額盛り込みに失敗

 「経済成長なくして財政再建なし」という安倍晋三首相の経済運営の“哲学”を反映した骨太方針となった。財務省は具体的な歳出削減額を盛り込むことを目指したが「経済再生が優先だという思いは微動だにしない」(菅義偉官房長官)と官邸に押し切られた。

 消費税率10%超への増税を早々に封印した首相に対し、財務省が目をつけたのが自民党の財政再建に関する特命委員会(委員長・稲田朋美政調会長)。ここで具体的な歳出削減額を示し、骨太方針に反映させる戦略を描いた。

 財務省が歳出削減目標にこだわったのは、先進国で最低水準である日本国債の格付けが引き下げられることを懸念したためだ。「海外の機関投資家が日本の財政に疑念を持てば、経済の安定を損なう」(主計局)。一方、骨太方針は首相が議長である経済財政諮問会議で決まるため、「首相に近い稲田氏の影響力に頼るしかなかった」(同)。

 だが、首相周辺は「政府の経済見通しは楽観的だと触れ回った財務省は『アベノミクスは失敗する』と言っているとの同じ。言語道断だ」と振り返る。

 もともと官邸は財務省への不信感が根強い。昨年4月の消費税率8%への引き上げ後の景気は、財務省の見通しが外れ、今も回復の足取りは鈍い。安全保障関連法案の審議停滞で苦しい国会運営が続く中、アベノミクスは政権運営を下支えする最重要政策だ。骨太方針で歳出削減額を示せば、各省庁が毎年度の予算編成で歳出を抑えこみ、景気に水を差しかねない。官邸にとって財務省の動きは「デフレ脱却の足を引っ張るもの」(政府筋)に映った。

 ただ、官邸は社会保障費の伸びを今後3年間で計1兆5千億円程度に抑える目標を盛り込んだ。成長一辺倒でなく財政に目配りする姿勢を示し、自民党や財務省に一定の配慮をみせた。

 官邸との攻防で防戦一方を強いられた財務省。自民党特命委が計25回開かれたことを指し「次世代を担う政治家が財政を濃密に議論したことが一番の収穫」(幹部)と強がるしかなかった。

http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/150630/plt15063023390030-n1.html