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抗うつ薬はその効果がみられるまでに時間がかかる場合が多く、結果も不安定。また、症状の緩和がみられるのは全患者の3分の1ほどだ。 研究チームは、被験者11人に4週間にわたってコンピューターゲームを使った訓練プログラムを実行してもらい、うつ病のレベルと脳機能に向上がみられるかを検証した。 検証で得られた結果は、別の研究で抗うつ薬の「エスシタロプラム(escitalopram)」を12週間投与された高齢者33人のグループの検証結果と比較された。エスシタロプラムは、「レクサプロ(Lexapro)」や「シプラレックス(Cipralex)」という商品名で販売されている。 2つの検証結果を比較したところ、コンピューターゲームで脳を柔軟にする訓練は、うつ症状の軽減において、エスシタロプラムと同等の有効性を示すことが示唆された。「だがそれは12週間ではなく4週間で(示された)」と論文の執筆者らは記している。 |
論文の共同執筆者の1人、米ワイルコーネル大学医学部(Weill Cornell Medical College)老年精神医学研究所(Institute of Geriatric Psychiatry)のサラ・モリモト(Sarah Morimoto)氏は、AFPの取材に「実際に全体の72%がうつ症状の完全寛解を得た」と説明した。 さらにコンピューターゲームでの訓練は「(脳の)実行機能の測定値において、エスシタロプラムを上回る改善を示した」と論文は指摘している。 ただ今回の研究については、サンプルの規模が小さいことと、同時に研究対象とする比較グループが存在しないことなどが限界事項として挙げられており、追跡研究を行う必要があるとしている。 |