環境保護派がなぜ原発 - 東日本大震災@ふたば保管庫

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反原発→推進派を描く映画「パンドラの約束」公開 ロバート・ストーン監督に聞く

環境保護派がなぜ原発容認に
 かつて反原発主義者だったものの、原発推進派に転じた知識人たちの声を集めた米映画「パンドラの約束」が19日から全国順次公開される。ロバート・ストーン監督(55)は産経新聞のインタビューに応じ、環境保護の観点や、他国への過度なエネルギー依存を避けるためにも、原発推進が必要だと強調した。(ニューヨーク 黒沢潤)
 −−なぜこの映画を製作したのか
 「私自身、かつて反原発主義者だった。しかし、われわれはこの25年間、二酸化炭素排出の問題を十分に解決できないでいる。そうした中、原発容認派に転じた多くの環境保護派らに興味を持った。クリーンなエネルギーの多くは今、原発から来ているということを私たちは認識する必要がある。成長を続ける世界が必要とするエネルギーは毎日増え続けている」

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140408/ent14040809150004-n1.htm

  −−環境保護以外に原発が必要な理由は
 「ロシアは今、天然ガスへの支配を強めている。われわれは長らく外国へのエネルギー依存に目を向けてこなかったが、ロシアのやり方を見て、この問題を考えるようになった。フランスや日本が原発に依存するのは、エネルギー依存の観点から正しいと思う」
 −−風力、太陽光エネルギーの重要性は
 「特定の分野で効果を発揮しているが、地球全体でみれば十分な量ではない。中国やインドを見れば分かるように、世界のエネルギー消費量は急増しており、近い将来、化石燃料を風力や太陽光、潮力エネルギーに代えることはできない」
 −−反原発派からの批判は
 「批判の多くは映画を見ていない人から来る。映画を見て私に会う人は、私がかつてどんな立場だったかを理解し、映画を支持するようになっている」

   −−映画の序盤で、福島を訪問している
 「訪問前まで気付かなかったことは、いかに人間の感情がすべてを支配するかということだ。私は科学をよく知っており、福島にいても安全なのを知っていた。ただ、私の感情や脳がそうならなかったのも事実だ。私が子供と一緒にそこに住むかと言われたら、おそらく住まないだろう。人々に『安全だ、科学者を信頼しろ』とは言えない。ただ、こうしたことを認識すれば、映画をより深く理解できるだろう」
 −−日本では小泉純一郎元首相が最近「脱原発」を訴えているが
 「彼はとても賢い政治家で、どちらの方角に風が吹くかを知っている。一方、安倍晋三首相はたとえ(原発推進策が)不人気であっても、自らが信じることを口にする勇気を持っているという点で尊敬している。政治家が不人気なことを言うとき、聞く価値がある」

   −−日本へのメッセージは

 「日本は原発問題で苦難を味わった。ここで選択肢がある。すべての原発を閉鎖し、多額の投資を放棄してガスや石油消費を推し進める。または将来、風力や太陽光エネルギーをあてにする。だが(原発を使って)中国が電気を蓄える一方、『(原発のない)日本は少なくとも安全だ。もう原発は利用しない』などと考えることは合理的な反応ではないだろう。この映画で日本に訴えたいのは、リスクを取り、リスクから学んだものを使うということ。そして、次世代技術で世界を主導することだ。それが日本にとっても、世界にとってもいいことだ」

   「パンドラの約束」は12日に名古屋・伏見ミリオン座で先行公開され、19日に東京・渋谷のシネマライズ、横浜市の横浜ニューテアトル、以後全国順次公開される。問い合わせはフイルムヴォイス(電)03・5226・0168。
【プロフィル】ロバート・ストーン Robert Stone ビキニ環礁での核実験を追ったドキュメンタリー「Radio Bikini」(1988年、米国公開)でアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞候補に。その後、反原子力から原子力支持へと立場を転じた。他の作品に「Earth Days」(2009年、同)など。