先のダボス会議での安 - 経済@ふたば保管庫

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「バーチャル特区」で岩盤崩そう 東京大学教授・坂村健

先のダボス会議での安倍晋三首相の演説では、「ドリル」の比喩を使って、国家戦略特区で岩盤規制を打ち破るとの強い意志が示されたという。そもそも、日本でここまで「規制」が嫌われ、問題になるのはなぜだろう
《現状変え難い大陸法の日本》
  法律には、大別して大陸法と英米法という2つの基本設計方式がある。名前の通り米国は英米法。近代法をドイツに学んだ日本は、島国なのに大陸法になった。その大陸法はできる限り法律で決めるのが基本。裁判は個々の事例に対してその適用を判断する。英米法は逆で法律は最小限。問題が発生した時点で裁判により事後判断しそれが以後の判例法になる。

 例えば、選挙におけるインターネット利用で日本では侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の末に去年やっとある程度の解禁になったが、米国ではそもそもそんな議論は起こらない。インターネットの商業化が完了した直後の1996年大統領選ですでに候補のホームページがあった。

  一方、50年に制定された日本の公職選挙法には当然インターネット規定はない。ないから使えない日本とないから使える米国。成長余地が少なくなった先進国では、経済成長の鍵はイノベーションだといわれて久しいが、そのイノベーションを素早く社会に出すにあたり、英米法と大陸法のどちらが適しているかは明らかだろう。

 むろん、米国でも変化が不利益になる「既得権益勢力」が存在することに変わりはない。しかし、変化に対し裁判で勝たないと現状を守れない米国に比べ、精密な設計により新規の法律を作らないと現状を変えられない日本とでは、現状維持の難易度が大きく違う。法が現状に合わず社会全体にとって重荷になり、それでも変えられないという「岩盤規制」が日本で生まれる根本原因はこれだ。

  しかも、日本社会自体が現行法体系にチューニングされており、岩盤規制を壊すだけで経済効果が生まれるかというと懐疑的にならざるを得ない。例えば人材の流動性についても、単に解雇規制だけの問題でなく、産別労働組合なのか企業別労働組合なのかとか、既存の不幸は容認しても変化による新しい不幸は過大視するといった社会の姿勢まで−多くの社会的構造が複雑に絡み合っている。
《ハンマーと違う「ドリル」》
  しかし、例えば、板前さんの世界は昔から専門性が高く流動性は高い。同様に例えば、今話題のiPS細胞の研究者なども流動性の高い前提の雇用システムの方が、研究者にとっても雇用側にとっても望ましい−というように、日本でも対象を絞れば制度を変えやすく、その結果の不幸も少なく、成果も得やすい分野がある。

 そこに安倍首相の「ドリル」の比喩の重要性がある。今回の国家戦略特区を成功させるには、まさにこの「ドリル」の意識を持って進めることが重要だと思う。規制を壊すときに、全面的に打ち壊すことを目指す「ハンマー」型のアプローチもあるが、その規制改革会議は大きな抵抗に遭っている。そこでドリルでピンポイントに穴を開け、うまくいけばその実績をテコに穴を拡大しようというのが「特区」のコンセプトだ。

  ところで、「構造改革特区」や「総合特区」など今までも特区枠はあった。しかし、実際にめぼしい成果を挙げられていない。その一つの原因は、今までが地域ベースだけで対象を絞るコンセプトだったからと思う。先のiPS研究のように、分野ベースで対象を絞る方が日本ではうまくいく可能性がある。そこで今回、私の提案した「バーチャル特区」というコンセプトが初めて導入された。
《統合推進本部で機動的対処》
  「解雇特区」など一部誤解があるようだが、分野という際に「ある業界全部」などとしては「ハンマー」と同じだ。あくまでもドリルは「先端」が大事。例えば、農業を扱うにしても「先端農業」として「高度情報通信技術を利用した農業」などと絞り込む。「先端医療」も同様。特区提案のヒアリングをしていても、そういう芽はいくつもあった。さらに、そういう特区は遅れている日本の分野において先端技術を使おうとするインセンティブにもなるだろう。

 今回の国家戦略特区のもう一つの特徴は、従来のように選定後、規制さえ外せばよしとして自治体や民間に投げるのでなく、国も含む産官民関係者による統合推進本部が継続的に見守ることだ。国主導もダメだが、民間主導の従来特区もうまくいかなかった。事業推進過程で、当初問題になった規制以外にも関連した「隠れ規制」が浮上したり、裁量行政の壁が立ちふさがったりするからだ。関係閣僚が直接参加する統合推進本部により機動的に対処し、とにかくまず成果を出すことを目指す。

  このような力を持つ国家戦略特区だけに、選定はもちろん政治家の専管事項だが、バーチャル特区で「何が先端か」という議論は各分野の専門家を入れ、公開に堪える形でだれもが納得するようにすべきだ−ということも、もちろん最後にお願いしておきたい。(さかむら けん)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140227/plc14022703420001-n4.htm

  ジズミィーって規制を撤廃するより何でも規制規制言ってるイメージがあるんだけど・・・

  実は
規制→撤廃→規制→撤廃
のマッチポンプが経済が回る てかーー

  規制をするな!という規制

  寄生の間違えでしょ