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札幌、34歳小野を異例3年契約合意 24日にも発表

サッカーJ2の札幌が、元日本代表で現在オーストラリアのWシドニーでプレーするMF小野伸二(34)の獲得に乗り出していることが19日、分かった。すでに札幌側は本人と接触し加入へ合意に達している。現在はクラブ間の最終交渉でシドニー側が受諾すれば24日にも発表される。

 今季J2で8位とJ1復帰を逃した札幌が日本代表56試合出場の経験を持つ小野に命運を託す。クラブは中盤の選手を軸に補強を検討。その中で高い技術と経験を持つ小野をリストアップした。11月下旬にクラブ幹部は都内で本人に会い、意思を確認。条件面などを含め当事者間で合意し今月に入り、シドニー側へ正式に獲得オファーを出していた。近日中にも返答が届く見込みで「札幌・小野」の誕生が秒読み。実現すれば小野は12年に退団した清水以来、2年ぶりのJ復帰になる。

  チーム変革への強い思いが、小野獲得の根底にある。札幌は34歳の選手には異例となる3年契約を提示しているという。通算5年のJ1経験のある札幌だが、最長で2年、1年での降格が3度と、定着できずにいる。強固な体制作りには、クラブの半数以上を占める24歳以下の若手の底上げが不可欠と判断。日本代表で98年フランスから3大会連続でW杯出場、さらにはオランダリーグなど豊富な海外経験を持つ元日本代表に練習への姿勢や技術など、手本的な役割を長期的に期待しているための複数年契約だ。野々村芳和社長(41)は「成功した人を近くに置くことでチームは変われる。目指すサッカーをより早く実現するために、伸二の力を借りたい」と話した。

 現在、小野はオーストラリアのAリーグで2位につけるチームを中盤の中心としてけん引している。2年ぶりの日本復帰となる来季、“天才”が北の地で輝きを放つ。

  札幌の野々村芳和社長はこの日、札幌市内で行われた定例取締役会で小野と交渉を開始したことを報告。クラブとして獲得に乗り出すことが正式に承認された。野々村社長は「動いていることは間違いない。決まっていることは何もないが、小野選手にこちらの希望は伝えた」と明かした。

 今季からJ2に降格した札幌はOBの財前監督が就任し、DFラインからつないで崩すパスサッカーの熟成を目指してきたが、勝ち点2差でプレーオフを逃した。再昇格を目指す上でパスサッカーのキーマンかつ、若手育成にもつながる経験豊富な選手を探しており、2つの目的を同時に果たせる小野に白羽の矢を立てた。野々村社長は「目指すサッカーを、より早く実現するために小野選手の力を借りたい」と話した。

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