口座、戸籍も売買
声をかけられた37歳の男は、大阪市内の代理店で運転免許証を示し、携帯1台を契約。すぐに詐欺グループの男に引き渡した。数万円の報酬を得ることができたが、誘ってきた男とともに詐欺容疑で逮捕された。 捜査関係者によると、あいりん地区では、携帯以外にも、金融機関の口座開設を持ちかけられたり、戸籍に掲載されている情報を売るよう求められたりすることが日常的にあるという。 口座は振り込め詐欺の入金用などに悪用され、戸籍は、本人になりすまして犯罪の実行行為者に仕立て上げられたりする。府警が昨年摘発した国の雇用助成金の不正受給事件では、助成金の受け皿となった会社の社長に、無関係の路上生活者が据えられていた。 犯罪インフラをめぐり警察庁は平成23年、全国の警察に取り締まりの強化を指示。府警は携帯と口座の不正取引に関連し、22年に66人を摘発したが、23年が92人▽24年が126人−と年々増加し、今年は9月末までで120人と昨年を上回る見込みだ |